Android 8.1、10、およびそれ以降のバージョンの主要な特徴と改善点は以下のとおりです。
Android 8.1 Oreo (2017年)
Android 8.1 は、8.0 Oreo のマイナーアップデートですが、いくつかの重要な改善が導入されています。
主な特徴:
1.メモリ管理の改善:
•メモリ使用量の削減と効率化を図り、パフォーマンスを向上。
2.通知チャネルの強化:
•通知チャネル(Notification Channel)を活用し、アプリごとの通知管理がよりきめ細やかになりました。
3.オートフィル(自動入力)フレームワーク:
•パスワード管理アプリやフォーム入力の自動化をサポート。
4.Neural Networks API (NNAPI):
•デバイス上での機械学習処理を支援する API を提供し、AI 機能の実装を簡素化。
5.電池残量表示の強化:
•Bluetooth デバイス(ヘッドフォン、スピーカーなど)の電池残量を表示する機能が追加されました。
Android 10 (2019年)
Android 10 は、「Q」というコードネームで開発され、ユーザーエクスペリエンス、プライバシー、セキュリティ強化に焦点を当てた大規模なアップデートです。
主な特徴:
1.システム全体のダークモード:
•システム設定から有効化できるダークモードを初めて導入。目の疲れを軽減し、バッテリー消費を抑える効果が期待されます。
2.ジェスチャーナビゲーション:
•ホームボタンや戻るボタンの代わりに、ジェスチャーでの操作をサポート。画面の端からスワイプして戻るなどの操作が可能。
3.プライバシー設定の強化:
•アプリの位置情報アクセスを「常に」「アプリ使用中のみ」「アクセスを許可しない」の3段階で管理できるように改善。
4.ライブキャプション(Live Caption):
•動画や音声ファイルの音声をリアルタイムで字幕表示できる新機能を導入(オフラインでも使用可能)。
5.フォーカスモード:
•集中したいときに特定のアプリを一時停止して通知を制限する機能(Digital Wellbeing の一部)。
6.セキュリティアップデートの分離(Project Mainline):
•Google Play ストアを通じてセキュリティパッチを更新できるようになり、システム全体の安全性を高めることを目指しています。
Android 11 (2020年)
Android 11 は、ユーザーの利便性向上やデバイスの管理機能をさらに強化したバージョンです。
主な特徴:
1.通知の管理と会話の優先表示:
•通知領域が「会話」「アラート」「サイレント」の3つのカテゴリーに分けられ、重要な通知(メッセージなど)が見やすくなりました。
2.バブル機能:
•チャットアプリの通知を「バブル」として表示し、アプリを切り替えずにメッセージのやり取りができる。
3.画面録画の標準化:
•システム内で画面録画機能がサポートされ、アプリをインストールせずに画面録画が可能。
4.ワンタイム許可と自動リセット:
•位置情報、マイク、カメラへのアクセス許可を「1回のみ」で設定でき、アプリを一定期間使用しない場合は自動的に権限をリセットする。
5.スマートデバイスの管理:
•電源ボタン長押しで、スマートホームデバイス(照明、温度、カメラなど)のコントロールパネルにアクセスできる。
Android 12 (2021年)
Android 12 は、ユーザーインターフェースの大幅な変更とパフォーマンスの最適化が行われたバージョンです。
主な特徴:
1.Material You デザイン:
•ユーザーの壁紙やテーマに応じてシステム全体の色を自動調整し、より個別化された UI を提供。
2.プライバシーダッシュボード:
•アプリがアクセスした権限(位置情報、カメラ、マイクなど)を一括で確認できるプライバシーダッシュボードを新たに追加。
3.クイック設定の再設計:
•クイック設定パネルのデザインが大幅に変更され、Wi-Fi や Bluetooth、システムコントロールがより直感的に管理可能。
4.ワンハンドモード:
•片手操作をサポートする新しい「ワンハンドモード」機能が導入され、大画面デバイスでの操作性が向上。
Android 13 (2022年)
Android 13 では、さらにカスタマイズ性とプライバシー設定が強化されました。
主な特徴:
1.アプリ別の言語設定:
•各アプリごとに表示言語を個別に設定可能。
2.新しいプライバシーコントロール:
•アプリの通知権限をインストール時に必ず求めるように改善され、デフォルトでは通知がオフになる。
3.サウンドとバイブレーションの設定強化:
•ユーザーが通知のバイブレーションや音量をさらに細かく調整できるようになりました。